医療機関や福祉施設での新型コロナウィルス感染症拡大がちらほら全国で認められるようになってきました。
クラスターは1.換気が悪い密閉空間、2.近距離での会話や発生、3.手の届く距離に人がいる の3つの要件がそろうと発生リスクが高まるとのことなので、病院はまさしくこの3つの要件があてはまりクラスターとなりやすい場所と言えます。
ダイアモンドプリンセス号でDMATの一員として活動した医師によると、合計3,711名の乗客・乗員全員に症状の有無にかかわらずPCR検査が行われ、そのうち696名(18.8%)が陽性で、そのうち410名(58.9%)が無症状だったと言います。
したがって症状がないからと言って安心はできません。院内でスタッフにしろ患者さんにしろ一人感染者の発生が判明すると、症状の有無にかかわらずその感染者の診察・看護をしたり対面で会話をした際に標準予防策(マスク、手指衛生など)をとっていなかったスタッフは14日間自宅待機となり、そのため場合によっては病院機能がマヒする可能性があります。
一方で全国的なマスク不足のため、どこの施設でもマスクの在庫が乏しくなってきており危機的状況に陥りつつあります。京大病院ではすでにスタッフに供給されるマスクが1週間1枚に制限されているそうです。
このまま医療機関や福祉施設でのマスクが枯渇すると、標準予防策をとれないこれらの施設がクラスター発生の場となり爆発的に感染が拡大し重症者であふれかえってしまうことを懸念します。感染収束の目途がまだ立たない今、行政の力で一刻も早くマスクが医療機関や福祉施設に優先的に供給されることを望みます。