心不全専門外来開設のお知らせ

社会の高齢化に伴い高齢のうっ血性心不全患者さんが増加し、いわゆる「心不全パンデミック」が大きな社会問題になりつつあります。実際、どこの病院でも循環器病棟の病床のかなりの部分をこの高齢うっ血性心不全患者さんが占めています。心不全は軽快増悪を繰り返しながら徐々に病態が悪化してゆく病気です。患者さん本人も、そのご家族の方たちもさまざまな苦痛を抱えることになり、また病院にとっても社会にとっても頭を抱える病気です。

「循環器病からの解放」を病院ミッションとして掲げる当院としては、この「心不全パンデミック」に向けた対策として、これまで心臓リハビリ、和温療法、心不全看護認定看護師・心不全療養指導士の育成、心不全多職種オープンカンファレンス、心不全チームの立ち上げ・活動、ACP推進、心不全緩和ケア、心不全地域連携、TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)・MitraClip(経皮的僧帽弁クリップ術)など、さまざまな体制を整えてきました。

心不全患者では早い段階から心不全治療やケアを行うことが重要であり、そのためには的確な心不全診断と治療方針の決定が必要ですが、治療困難な重症心不全に対する専門外来はあっても、これまで早期の段階から専門的診断と治療を行う外来は北陸にありませんでした。そのため当院ではこのたび8月より「心不全専門外来」を開設することといたしました。

心拡大やBNP・NT-proBNP上昇などがみられる患者さん、労作時息切れや浮腫などの心不全症状が見られる患者さん、心不全を繰り返し心不全治療に難渋している患者さんでこれまで専門的医療機関を受診されたことがない方は、かかりつけ医の先生に紹介状を書いていただき受診予約をとっていただければ、外来にて精査のうえ治療方針を決定もしくは外来・入院にて治療させていただきます。

kcvh について

石川県で唯一の循環器専門病院である心臓血管センター金沢循環器病院のCEO(最高経営責任者)です。
カテゴリー: 未分類 パーマリンク

心不全専門外来開設のお知らせ への2件のフィードバック

  1. 岩井清美 より:

    心不全の患者は多いのですか?
    かるい心不全の人は自分が心不全だとわかるのでしょうか?

    金沢に(病院の近く)に住んでいる人は行きやすいと思います

    自分の心臓の状態を知り、この後どんな生活を送ればいいのかは、興味があります。
     どんな運動がいいのか
     心臓のリハビリとは何か
     どんな食事がいいのか
     睡眠の取り方
     漢方薬はいいのか
     心のもちよう 等

    自己流で考えながら今はやっています。
    本も読みながら、自己判断で

    • kcvh より:

      岩井さん、ブログお読みいただきありがとうございます。
      心不全の患者さんは明らかに増加してきています。入院される患者さんも増えています。
      ちょっとした動悸、息切れなど本人は自覚していないような症状でも心不全のサインであることが多いです。
      今井さんは心不全までは至っていないのでご心配なく。
      これからもよろしくお願いいたします。

コメントを残す